1990年代後半より、先進各国および学術団体によって研究されて来た植物性互換燃料油を Bio Diesel Fuel と称しております。廃棄される調理油を燃料油 Vegitable Diesel Fuel として再利用する事業には、我が国にも各所で施設・団体・事業者が立ち上がり活動を開始しています。
なお、VDF・BDFという表記は染谷商店の商標として登録されています。バイオヂーゼル燃料を廃食用油脂から製造する場合、家庭や事業所から発生する廃食用油を回収、それに含まれる水、食材残滓、塵埃をフィルターにて除去し、廃食用油再生燃料として商品化されます。これらを自動車用として使用する場合、推奨すべきは陸運事務所に申請し、備考欄に「廃食用油再生燃料併用」と記載を受けることです。専ら再生燃料の販売者は、現在の所この記載のある車輌を持つ人乃至は組織を「会員」として登録し、登録者のみに販売する体勢をとっています。
本来バイオヂーゼル燃料は、廃食用油再生燃料に限らず、植物から採集される油脂を燃料として調整したものを総称します。欧州各国において既に、バイオヂーゼル燃料販売ステーションが出来、一般の石油流通系ステーションでも、それを石油精製軽油に5%程混入した燃料を販売しています。また、ドイツでは、産出される菜種の20%をエネルギー用と位置付けており、周辺各国でもエネルギー目的栽培を義務付けていますが、その欧州では現在、販売される自動車の半数以上が既にヂーゼルエンジン搭載車であり、目的は需要に合致しています。
バイオヂーゼル燃料は、sOXを殆ど排出しません。またそれを焚くことで発生する二酸化炭素CO2は、植物が大気から取り込んだものであるため、排出されても自然循環とされるため、その排出量は差引きゼロと看做されます。黒煙の発生量も軽油と比較する場合4割程度少なくなる為、カタライザの寿命も延長されます。また、そのエネルギー量は9600Kcal/kgであり、軽油の10400Kcal/kgと比較しても遜色ないものです。
バイオヂーゼル燃料をヂーゼルエンジンで使用する場合、極寒冷地を除き特段の改造を必要としません。比重は軽油より少し輕い位ですが、潤滑性も充分にあり、ポンプやノズルを損傷することは有りません。但し寒冷地の場合、低温流動性が軽油より低い為、特に全量使用する場合は寒冷時は燃料を暖めてやる必要が出て来ますが、零下20℃を下回らない限りその心配はない模様です。
また、混用による何らかの弊害はみられないので、軽油と併用することも出来ます。
価格については現在110円/リッター程度が最高で、税込軽油価格と余り変わりないか少し安いくらいです。こうしてみると良いことばかりに見えるバイオヂーゼル燃料ですが、その生産に傾注する余り、過度の化学合成肥料や殺虫剤の使用が横行するようでは、それらの生産にまつわるCO2排出で本末転倒となります。欧州では、生産者に対しそれら化合品の使用を規制したり、エネルギー用としての流通量を制限することで予め商品相場が暴騰しないよう準備しています。それに反してアメリカ大陸では、バイオ揮発油原料としてトウモロコシやサトウキビ、大豆、小麦、大麦等穀物類が投機商品として既に暴騰の極みを見せていますが、これは策の手遅れによる失態と見て良いでしょう。しかしながらそうして生産や流通に制限を加えたり、廃棄食用油の回収システムづくりの困難さ等を見ると、バイオヂーゼル燃料が巷の燃料店に満足に流通する迄にはまだまだ長い道程を辿らねばならないでしょう。
でも、近い将来、「環境保護気分が高まった時」には、燃料店でバイオヂーゼル燃料の缶を買う等が出来るようになるでしょう。その時、ヂーゼル搭載車なら、少しでも環境保護に役立つのです。ディフェンダーは常用燃費平均10km/L。バイオ燃料でもしっかり走ります。
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