ランドローバーエンスージャスト ショウ
ビリング・アクアドローム ホリデーパーク
2006年 7月 20〜22日

探訪記録

ビリングショウという名で、日本では専ら知られていると思う。16年間毎年開催されている、ランドローバーエンスージャストマガジン主宰のおまつりである。これまでこちらでは、主にランドローバーオーナーインターナショナルマガジン主宰の集会の方を紹介して来たが、今年はこちら、彼ら主宰の「ランドローバーのオリジナルショウ」と主張する方を訪れてみた。

最初に、毎年のようにいっていると思うがおことわりを。そもそも、我々日本人がショウというと、専らメーカー等が主体となって顧客を募る為に開かれるものと思いがちである。と申すより、むしろそうあって貰いたいのが我々なのだと思う。英国も日本程ではないにせよ、自動車の産地であることに違いはない。彼の地でも当然、出展するランドローバーは勿論用品機材メーカー・工具屋や部品屋達はこの場を以て商売に結び付けようとする意図があって当然である。最もソレが一番健康的だ。しかしランドローバー国籍地の英国に於いてのこれは、この機会にランドローバー愛好家が遊ぶという意味合いが強いのである。ビリングアクアドロームは、敷地に人造湖を沢山もっていて、マリーナ迄備えた大規模なアウトドアレジャーランドである。池はネネ川という小さな川に繋がっているものの、大体ビリングを擁するノーザンプトンはロンドン北西80kmに位置する内陸の小さな田舎町である。この町の周囲には、ロンドンから近いとあってそういう施設が幾つも点在しているのだが、実はそれがカギである。日本人である我々は、アウトドアというと大自然を思い起こしてしまいがちである。極めて急峻な山岳を、見た目も実際も大してスキルフルではなさそうな人々が踏破する。白波逆巻く砂浜から、子供達迄もがサクサク泳ぎ出して波間に見え隠れする。ボートを買ったばかりの人が、GPSという頼りなげな位置情報装置をもとに彼方の島々へ出かけていく。水場もない野原を開墾して当たり前のようにキャンプを張りBBQに舌鼓を打つ。これらの行いは、正直言って欧米人は吃驚することなのである。うっかりカヌーや小舟で外海の岬を回ろうものなら即刻ポリスのお出ましとなるし、河原で道端で日本のようにテントを張っているといろんな取締にあってしまう。釣りを勝手にやっていると捕まってしまうし、海水浴に出かけて、単独で遠泳もどきなんて以ての他なのである。日本の我々は、休みがないとか愚痴を言う反面、休みとなれば釣竿や銃を背負い、オートバイや自動車に機材を積込んでは、ろくすっぽ人手が入っていないような場所に出かけて平気で大自然を謳歌出来る勇気と技術を何故か知らないが自然に得ているし、行政はそれでイイと思っている。高校生達は400CCのモーターサイクルを当然の如く乗り回す訳だし、釣りや無線やオーディオ趣味のレベルと人口密度は世界最高だ。つまり日本人は、遊ぶと言うことにおいては多分世界一で、個々のレベルが高すぎるのである。その所為でか、ある一線から先へはなかなか進出できない恨みもあるのだが、欧米のそれらは、全てそれなりのお膳立てが出来て或いは既に成されている中へ出向いて行われるのが普通なのである。日本である種の専門誌が集会を謳っても、数万の人が同じ時期同じ時間に集う可能性は恐らく皆無であろうが、彼の地ではそれが「遊び」の切っ掛けとなって数千数万の人々が老いも若きも同じ目的で集まる原動力となる。だから年間5つものランドローバーまつりが具現化する。我々が「面白そうだな」と羨むそれらが、もし自分のところで、トヨタがホンダがニッサンがで纏まって開かれることになって、果たして同じように「動く」かと問われれば、否と言うしかない、彼の地ならではの民族的モーションを、体験して頂きたいと常々思うのである。


毎回、恒例のイベントの内容というのはおなじようなものである。スクープするほうとしては斬新さが求め難い為、つきなみな実況中継となってしまいがちである。ウェブマスタとしてはそれは避けたい鬼門でもある。今回は、ディフェンダー生産終了を記念して、我らが憧れの名車よ永遠にということで、ショウの顔役カスタムカーから楽しんで頂きたいと思う。

カスタムカーメーカーたち
ディフェンダーは、1985年から連綿と20年間の継続年数を持った、自動車史上も希有な長寿車種である。ただ単に車種名が残されたのではなく、自動車を構成する殆どの部材部品が変えられることなくその原型の侭保たれた。そのお陰で、実車を維持し易いだけでなく、驚くような改造も、長い経験の積み重ねを無駄なく発揮出来ることから可能になった。勿論小改造なら、キットや部品といった商品を利用するだけでも可能な程になったところでの生産終了は、誠に悔やまれる。

ミリタリーモデル
軍用車は、外国では放出も数々の例がある。英国も時折、全数ではないが競売によって軍の使用規定年数を経たものを放出するが、車自体は特殊ではないので、カスタムとしてユーザーが作成するケースもある。軍用車の魅力は、各々が巨大な集団の中で役割を持って働いて来たということで、それが一般の生活からは掛け離れた別世界の仕事だった為、なお趣味的に傾倒する人を熱くする。

カーアクセサリー
自動車を使っていると、標準的な商品車では、自分には物足りなく思うシチュエーションに突き当る。同じものを数多く売ることで利潤を守るメーカーと、独自の使い道を求めるユーザーとの葛藤で、永遠の戦いである。一人で一台だけの機能を求めるのはなかなか難しいから、カー用品という形で、アフターマーケット供給される自分の使い道に近い品々から、適したものを選び採用するのだ。

キャンピング
自動車は、己の意思のみで見知らぬ所に短時間で移動する手段を叶える製品で、生まれた時からオートキャンプや、ピクニックという用途はあった。一層便利にしようという試みも発展を続けている。

キッドカー
自動車を使う家庭の子供達も当然、将来自動車を使うようになるだろう。そうなる遥か前幼い頃に、自動車の機能に興味を持つだろう。トップクラスの、その興味に応えるそれが、このショウには毎回現れる。

エピログ....

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