別にまだショウグラウンドに辿り着いても居ませんが、勘違いしそうな展開がちらほら見られます。ここはまだキャンプ場施設ですが、見せるとか魅入らせる風情が目を奪います。
本体に相乗りしてガレージセールを店開きしていたり、上手に自分の場所をアピールしていたりしていて、やもすると時間を奪われてしまいます。所謂、場外なのですが、もう既にここに入る人々はビリングショウの一員です。
来観の人が圧倒的多数を占めますが、スタッフやその家族、そして彼らの愛車や愛用の品々がここに広がり、またそれらが私たちの目を惹くのです。
本来ならここをひと回りしてからショウベースに入りたいところなのですが、時間の制約がある観光客状態ですから、早々にお暇頂戴せねばならぬ残念があります。しかしながら例年はともあれ、今年はこの広いサイトに目を向けてみました。
ランドローバーばかりピックアップしていますからあたかもそれ一然と誤解を招きそうですが、勿論他のメーカー車も相当数が滞留しています。日本車は特別多いですが他にもフランスやドイツ、韓国のものがあります。
こちらも特別収集してはいませんが、背景に相当な数のキャンピングトレーラーやカーゴトレーラーがあるのをご覧頂けるでしょう。
ここではトレーリングは案外普通なのです。自動車に関する消費税が高いので、トラックと乗用車を合わせて持つのが無駄というのも一つの理由ですが、エンジンがない車輌はその分保守費用が掛からないからという理由の方が大きいのです。この面だけ見てもかなり金銭面等で賢い民族性を垣間見ますが、それだけではなく、動力を一つにして幾つものアプリケーションを備えるという贅沢さも持って居るのです。トランクスペースの突発需要に向けてカーゴ車を、外泊用にキャンピング車を、各々持っていれば、動力に対してトッカエヒッカエ繋いで使えば都度便利というわけです。トラクターにしている車そのものの買い換えも自由に行えますし、ヒッチメンバーを持っている車で、キャパシティが適するようであればどれでもトラクターに出来ますから、何家族かで一台のキャンピングトレーラーやカーゴトレーラーを持つということも選択肢です。
俗にいわれるトラックキャンパーもその一つです。使わない時は外しておけますので、母体となるトラックを普段はそれそのものの用途に仕向けられます。ただ、それもここに来られる人々のことをいえばのことであって、世間一般広く見るとなかなかみんながそうとは言えません。英国の失業率の高さは世界でもトップレベル、貧富の差も日本とは比較にならない程広い土地柄です。週末にこういうところにキャンプに来られる、またガーデニングに勤しめる、というのは一つのステイタスです。趣味性も勿論ですが、何より先立つものが整っているからのこと、普通よりはかなりレベルが高いと考えてしまって良いでしょう。
英国は昔から道楽を極めることへの執着があります。車にヨットに飛行機、狩猟や猟銃、英国流のガーデニング、服飾のスタイル、煙草や酒、それらの世界トップクラスのブランドがここに集中しています。ランドローバーも勿論その一つです。何しろ四駆の小型車だけを造るという姿勢、昔なら実用で求められたであろうが、今となっては贅沢な、二人しか乗れず碌に積めないピックアップなど、双璧として世界の自動車産地の名を馳す日本ではとっくの昔に投げ捨てられたものが厳然と守られていることからも、そのステイタス性への自信が感じられます。
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