ランドローバーオーナー・ショウ2012
イーストオブイングランド・ショウグランド・ピーターバラ
2012年 9月 8〜9日

探訪記録

そろそろ乍らにクルマが並びはじめる辺り。

ここもプロの宿泊スペースの一部ですが、プロなりの有り得なさを見せているクルマがあります。上手な鉄パイプのバンパーでウィンチを囲って、草色のメタリックにパイプは皆銀色という追い込み加減。ついでにフェンダーも銀色。かなり贅沢にかつ上手に彩っています。

130を寝床と塀にして、なおかつ石垣を模した布でプライバシーを主張する。

救急車をぽっぷとっぷにしたようなものにティピーテントをはべらしている一角。

これもクルマの珍しさや面白さに留まらない、見せ所をしっかり押さえたプレイテクニックですね。

130に積まれたトラキャンは実はレイズドトップ。普段は二階部分に見える上段の壁は折畳まれていて、使う時だけ上に上げて居所を作っているんです。

そうかと思うとワンワールド仕様のやはりレイズドトップキャンパー。こちらは最新に近い仕様です。

度重なる旅を面白く快適にする。何か月かに一回か二回という頻度でならそこまでしなくても良いものかも知れません。

もう間もなく車体を全部チェックプレートで作ってしまうのではなかろうか。

そういわれても文句が言えないような、内装の全然踏まないところに迄チェックを配して見せる見せる。

そういうところでちょっと振り向くとまだ続くこの有様。

何処の部品か分からないようなモノの間にいきなりドキュメント。

中古車を買ったりしていると結構これ付けて貰えていないので、並ぶ青い箱のものより需要というか要望というかはあると思います。早速手を突っ込んで居る人が要るんですが、運良く欲しいものに巡り会えると良いですね。

スコップ、とかなども、旧いものがあるかと思えば新品もある。どっちを選ぼうと自由。

当然、値段の違いもありますし、旧いもののほうがいい、という蒐集意識も選択の材料。

必ずこうでないとならんという約束事は各々の求める人の気持の中にだけあるものです。

相当な規模の輸送手段を行使しないとこれらを運んで来るのは無理でしょう。ここのこの様のみでは手段を確定するのは難しい。

是非一度、準備と撤収を見てみたいものです。
何せ、クソ重たいユニットまであるんですから、この前と後にはただならぬガンバリが隠れているでしょう。

クルマから抜き取られたままぐるぐる巻き状態のエンジンはトレーラーに積んでありましたので、多分ですが何台ものクルマで、一族総出で運転して来ているんでしょう。
居並ぶクルマ達の中のどれがその役割に就いているのか。私の興味は尽きませんよ。ちなみにエンジンは千ポンドも値が付いているのかと思うと案外数百ポンド。売れたって幾らも稼げないような気がする。

数カ月前、知己の人のお宅の片付けを手伝いました。タイル屋さんだったんですが、御亭主の他界の後放置された倉庫を空けたのです。タイルは新品揃いですが、廃棄物中の廃棄物で捨てられる場所が殆どありませんから、貰ってくれるDIYerを探して引取ってもらいました。でもそこの未亡人は、稼げもしないのに何の為にやるのか、全く思いも付かない。貰ってくれる人は、お金じゃなくて、これがあれば楽しいことが起きるから苦労する値打がある、と仰いました。ぐるぐる巻きのエンジンとか、散らばる解体部品とか、挙って売れても大したことは起きないだろうそれは、そうした出会いとか、どっかで役に立つかもという期待とか、そもそもそれを並べてタイショウ気分になる歓びとか、いろいろなお金では買えないものを期待されて並べられているような気がします。余程のコトがないと壊れるなんて考えられないヒーターとか、手を添えるものなのにあろうことか泥まみれのステアリングホイルなんて現れると、尚更、この元になる気持とは何だろう、と感じます。

わが社長にもそうした遊び心があるんです。しっかりハーネスに嵌まっていますが、もし、合うこれがあれば命が相当長らえられるクルマがきっとあるんです。

それとは正反対、帽子屋さんを覗く、よう肥えた、ズボンがずり下がって下着が溢れた半裸の少年ときたらまあだらしないこと。しゃきっとせいしゃきっと。

ああ、何だか又寄り道になってしまっているが、漸くクルマのショウらしいところに辿り着きましたよ。

足回り等をチューニングするメーカーは大体こうして馬の上にクルマを上げて下を見せます。

そこで、去年迄はぽろぽろと単独で居た、クラッシックキャンパーというクルマですが、今年はグループで訪れていました。

クラッシックキャンパーとは、今のように一般車改造のキャンピングカーが余り世に出ていない頃、一定のテンプレートはあるものの、工夫して愛車に手を加えキャンピングカーを作り出していたやり方そのものをいってます。

あるものが製品ではなくテンプレートつまり型紙とか方法論なので、大方その設備は手作りです。DIYですね。

好きなものが好きなように作れる点は、確かに、経年での修理等も作った本人の感覚が活きるので結構なんですが、見かけはご覧の通りになります。でもこれ、スキルレベルで相当違って来ますから、その辺はやはりそれぞれの製作者の御自慢になって来るんです。

何十年も前から行われていることで、勿論今でもこういうことをやる方はあります。よって、年代も又その作り込みから知ることが出来ます。先ず見ているこれの場合、かなり昔に作られたものなのでしょう。金具回りは勿論ですが、建材も旧さが感じられます。加工もスクエア基調で、製作に機械が余り使われていないことも察知出来ます。

次のクルマになりますと、もう少し現代的な感じにされています。天井には内張りがされて、材料もヨット等で使われるモノになっています。金具の多くもそれです。マリンショップなどが身近になって来た頃なんでしょう。三十年位前でしょうか。

でもアコモデションに決定的な変化はない。この辺りがテンプレートといわれる部分です。厳然たる見本があったんです。

手前に見えているクッキングストーブですが、これ一旦場所を仕切ってしまうと、後に同じサイズのモノはなかなか現れないので、存命中は製作時に据えられたものを案外ずっと使わなければいろいろ不都合が出るものです。

でも、納まりの良さの点を見ますと、先のものより上手になっています。狭い空間ですから、何処をどう引っ込めておくか程度のコトでも後の使い勝手が変わります。1cmでも引っ込めておく、小さく作る、というのはこうした狭い部屋作りのコツですが、材料の自由とかスキルレベルが支配して来ます。

改めて見るこちら、ギャレーをもう車内に残さないで土間作業として諦める方法で部屋を広くする手腕に出たもの。

こうすれば大きなキャビネットが置けますし、冷蔵庫等も余裕で据えられます。しかし困るのは日常生活の重要な部分を占める炊事関係。外が何時でも平穏であることが条件です。テント泊でも炊事は外だから、と思うとオートキャンプでは不便を背負います。理由は簡単、多くのクルマがインサイドギャレーだからに他なりません。

中段にボンクを増やしています。果たしてどの程度の目方迄耐えられるものか。ちょっと気になります。

こうした造りにしますと、テイルゲートは主な出入り口です。普通の位置のハンドルでは余程扱い難かったと見えて、エキテンを溶接してしまっています。ブタンのストーブ、やはりかなりの年代物です。

手許照明は整備用の手持ち蛍光灯を縄で縛ってぶら下げるという元気の良さ。余り細かいことは気にしないというのも成功の一助ではあります。

最近、非常に確りしたヒンジが出ていまして、結構こぞって採用していました。柱なしでこれだけのオーニングを支えられるというのは、昔だったら考えられなかったんです。

昔はといいますと、カマボコ屋根の手前下にハの字に見えるグルーブにテントの端を差し込んで支柱を立ててペグとロープで引っ張ったものなのです。

左のクルマはそのグルーブは利用していますが支柱はもう使っていません。

多少なり新しいものでも良いものは取り入れてるんですね。単なる頑固一徹でもなさそうだ。

その、頑固でないクルマは、内装も非常に頑固でないです。

モダンなデコラを多用して大変明るいです。シェードやカーテンもそれに合わせて白基調。上の写真のテントのめくれからミタ感じだけでも薄暗さが大分緩和されていますが、入らせてもらってこうして見ると、こう言っちゃナンですが、やっぱりこうでなくっちゃなあ、とかうっかり口を突いて来ます。Mac前にしてる私でなくても、現地でも平気ですよ言っちゃって。大体誰も日本語なんて分かりやしません。写真映りだけ見ても全然違うでしょ。でもキャビネットの枠など見ますと別に最近作ったものではなさそうなんです。相当傷んでいるし元々が古いもののよう。後から手直ししているんです。

上左は上々段のクルマ、やっぱり振り出しオーニングを使っています。左は車体からオリーブドラブ、屋根の色迄合わせる為に塗りではなくテントを採用。

オーニングも昔のやり方を踏襲しています。

一体感があって、これはこれでお洒落ですね。こちらとて雨雪は多い土地柄ですから、水仕舞いの点で見ても、このほうが管理は楽なのではないでしょうか。

ただ問題は採光ですね。ドーム屋根には元々そういう訳だからか窓は付けられていません。勿論このほうが製作は楽だし保守的にも安全。

手前迄一杯に伸ばしたバース、採光を不自由にした分高さを贅沢したキャビネットと、他の明るいクルマとは違うやり方が目立ちます。

で、反対側はといいますと、メクラのままの壁面です。こっち側の内装は全部キャビネットにしてしまってもいいというもの、暗くなった分は照明でカバーするんでしょう。車体はMOAのシリーズ3です。

でもって、実は、こんなに沢山集まってたというもの。オリーブのクルマ以外は今迄もぼつぼつこことかビリングで見かけています。

他にも、こんなクルマも混じっています。定番ドアモビル、ドームのリアテントだけでやってる3の88。

で、一寸注意をしたいのが、このバックミラー。もしもし、後ろ見えますか。ロングステーを使うとか、窓枠の内側に付けられるようにするとかいう配慮は一切なし。

この人たち、実は昨年、このうち3台のクラシックと1台のドアモビルの合計四台でモロッコへ遠征したのだそうです。

昨年の十月のLROに特集された模様で、雑誌の誌面が掲示されています。

実はこれ今回の展示の目玉の一つだったようです。

モロッコって、すごいな、と思うんですがここはイギリス。船の便もある位、ヨーロッパレベルから言うと身近な観光地です。東京からすれば、北海道にフェリーで旅行に行くような感じですか。

でも陸地というのは結構海より怖いのです。
もう二十五年経ちますが、TVの仕事でサザンプトンから船でカサブランカに入り、ニジェール・チャド・スーダンに掛けてサハラの駱駝の隊商ルートを辿るというのをやったことがあります。砂嵐ばかりで天測が思うように行かず、燃料がバカ高く、挙げ句盗賊が頻発するという偉い目に遭いました。海だったらその位の距離でそんな苦労など滅多にないものですから。ランドローバーの底力はその時実感しましたね。

そんなこんなで時間を取りました。
クルマが続くかと思ったらまたお品。重たいものを上げ下ろしするのはいい加減限界があります。積みっぱなしの陳列というのも野天ならではでしょう。これがスタジアムとかでやると全部下ろしなさい並べなさいということになる。

クラスAとか、キャンピングカーレベルなら、余裕で装備されている湯沸かし器ですが、ランドローバーとかでオートキャンプというとどうにかして手に入れたいもの。そこでやっぱりこんなことを思い付く人がいるんですね。

プロパンの湯沸かし器の前にギャレーポンプを繋いで送水、湯沸かし器動かしちまえ、と。

私、この写真見て抱腹絶倒暫く立ち直れませんでした。

だって、昔カヌーの集まり引っ張ってた時にリンナイの湯沸かし器で同じような感じでやってたら、「あんた、そうまでしてお湯欲しいんだ」と呆れられてしまったんです。キャリアの出っ張りに引っ掛けて、ポンプはシガライタから電気取って別にスイッチも要らない、水は川から吸い上げて具合良くばんばん湯を焚いてカヌーを風呂にして調子良かったんだけどなぁ。

ベイルの格好からして、全く同じことやってしかも製品にしてやろうという「ビジネスマインド」。

笑われて凹まないで、いっちょヤッタルカ位の意気込みないとだめなんだね。
ビジネスビジネスビジネス
あ、いやいや、ここまでタネ明かしてるんだから自作して下さいな。どっかで、多分笑われますけど、どうかお気を確かに。これから、冬です。お湯欲しいでしょう?。

去年も居た、ビッグフット。また居ますね。しかも、増殖してます。

昨年、先に→のビッグフットに会ってますから、←は真似して後から作ったのかしらん。

1ページに入れられる量って、WEBですから際限なくいけるかと思ってるんですが、余り詰め込み過ぎると迷惑でしょう。ここで、改ページ。

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