旧車を残そうという集いは地味だが着実に活動している。
これが全国からこともなげに走って来るのであるから、皆の気合いの入れようといったらナイ。
このようにバリバリに起こされているのもあるのだが、普通に使い込まれているのも結構ある。別に綺麗なら調子が良いかというとこれ、実は全く見かけによらない。
普段から使い込んでいると案外癖が分かっていて、手も入るが、保存状態では目覚めが段々悪くなる。
何でもそうだが使い込むと云うことは休まないと云うこと。ペースがあれば健康でいられるが、動かなくなると人生同様腐るというもんだ。
話題の新型もぽつぽつだが見かけた。
古いのと新しいのとどっちが良いかと云われると、返答に困ってしまう。
ランドローバーというのはそういうクルマなのだと思う。新しくても古くてもその時代にあった味わいは現行でも通用する感じだ。
古いのをそのまま今作っていてもそれなりに位置は保てそうだが時代がそれをなかなか容認しないだけの話だと思う。
ただ、新型は実に静かで使い易くて、そういう部分では、今様である。
今の道には今の車が一番良いのは使い勝手の面でだけ通用するお話ではある。
ヨーロッパではもう既に、売れる車の8割近くがヂーゼルエンジンである。二酸化炭素の排出量が少ないというのがその理由であるが、他にも火災が起き難いとか、絶対寿命が長いというのも後押しとしては見られるようだ。
日本では逆にヂーゼルは排斥される方向で動いている。
何処にも勘違いや見当違いはなく、こうして東西で世界バランスを保っていると考えるべきだ。
世界は一つなのである。
筆者が日本というフィールドをみて最も適していると思っているキャンパーはこれだ。
普段は仕事にも暮らしにも使えて、出かける時はくっつける。
ジャッキアップした状態で出先で車だけを抜いて使えるし、車庫でもパパの昼寝や趣味に使える。
車の方の独自性を重んじたままキャンピングカーに化ける。
キャンピングカーメーカーの悩みは、後付けユニットの寿命が車に劣ることだが、これなら車は車の価値を保ち続けることが出来る。性能も然り。
ちなみにこれは登録上は単なる貨物車。荷台のキャンパーは荷である。高い8ナンバーの税金は掛からない。
もっと増えても良いのだが。
小止みの間を縫ってキャンプサイトをみてみる。あの凄い展示で度胆を抜くエクスペリエンスのメンバーの宿泊場所はやはりディフェンダー。レイズドル−フに小窓を抜いた手の込んだ凄い車だが実に自然でまた驚く。そのうえルーフキャリアは車体と一体!。もう一度驚く。
プロだ!
新型も少しだが既に走り始めている。
すっぴんで現れているがこれから何か企んでいるのだろうか。
モデルチェンジのショックは何も我々だけの話ではない。当の本国では天変地異に近い衝撃があり、紆余曲折の結果現行のモチーフを極力保つことになったと聞き及ぶ。
焼き討ちさえ懸念されたらしい。英国自体過激派の根城みたいなものだし。最後迄スポイルされていたというボンネットのブリスター処理は、姿を保つ苦肉の策。
彼らは彼らなりに苦悩した模様。
筆者はアウトドアやマリンスポーツで英国の世話には散々なったが、その英国人は天気の悪いことにはことのほか弱いのだというので驚いたものだ。あれほど世界最先端の活動家を輩出しているのにである。よってこのドロンコ状態を耐え忍ぶことは並の辛抱ではなかった筈だ。
130の後ろだけをトレーラーにしていたり、こういうアイデア的な部分も英国はトップクラスなのだが、トップはトップで存在するものの、一般は一般の概念で生きていて、突拍子のないことはある意味、物語を読むように受入れられているだけだという。
わくわくするような物語の代償に、この三日間の辛抱に耐える。今回は、来訪者にとっては高い代価のビリングだったに違いない。
せめての救いは、池の白鳥が子連れでみられたことかな。
カルガモなんてレベルではない。白鳥の親子が夏にうろついているのである。
別に逃げもしないし慌ててもいないようだ。
悪天候で余りにぎわいの見られなかった出店たちはとても気の毒だ。
商売の大半をこういうショウで達成する店が多いだけにこれは大打撃。客もどろどろ、自分もどろどろ、店もどろどろなら商品は泥に埋もれているという有様。
筆者なら畳んで帰るところで、この忍耐には頭が下がる。
滅多に体験しない泥出店でも知恵はある。晴れ間に牧草を泥の上に敷いて一時的に泥から逃げるのだ。牧草はやがて土になるので、撤去の必要はない。よくやる手口なのだが、また雨が降れば元通り、どろどろに戻ってしまう。
全くお気の毒さま。
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