ランドローバー・ディフェンダー
110 ハイキャパシティピックアップカスタム

工程は、内装へと工場を替えて進みます。
自分のうちで全部デキルというのは、私は嘘っぽいと思っています。
出張してやって貰えば良い程度のもの、つまり商用車の幌貼りとか架装で、コストを低く抑えてというのなら分かりますけれど、気合いの部分で次がない程度突っ込むこういう作品の場合、製作を手伝ってくれる職人さんが、気楽に気分よく作業出来る場所に預け据えて、その人の感性の鋭い時に少しでも作業して貰えるようにすべきだろうと思います。

散々あれこれすったもんだし、やっては休み、ある時はノリノリで徹夜もするを繰返し、幾日かするとこうなるものなのです。お金と時間は、使うべき所に充分使うべきです。

自動車というものをこうしてみてみると、案外やり直しが効かない仕事が寄り集まっていることに今さら乍らに気が付きます。お客さまから提供された毛皮の素材は勿論、幌材にしてもほぼワンメイクのもので、失敗は許されないストレスを背負って来ているのです。

採寸して裁断し、まちを作り、縫い上げて幌や座面にする。板金屋さんにしても塗装屋さんにしてもこちらの幌屋さんにしても、まことに旨い具合に遣って下さると常々感心してしまいます。

かくのごとく椅子を綺麗に作ったかと思うと、インナーパネルの上張りです。今回は現車侭の部分は、一部を除いて残されないものですから、かなり手が込んでいます。


細かなパーツ一つ一つ、オーナーの意匠が施され、刻々と完成に近付きます。

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