ランドローバーオーナーインターナショナル
ショウ2015
イーストオブイングランド・ショウグランド・ピーターバラ
2015年 9月 19〜20日

探訪記録

ここにきて、いまだにディフェンダーの後継車種の発表はありません。
尤も、何かが60年続いた4X4のアイコンを担えるとも思えません。それが分かるのか、そもそもサービスが悪いのか、または全然、そのつもりがないか。そのぼんやり感覚が不思議に何のリードもなく、こうした第三者によるおまつりに協賛するだけに留めているのでしょう。

ランドローバーは、ユニディレクション、つまり一つの方向を目指す事業方針について、エキゾチックスポーツカーメーカーと何ら変わりません。四輪駆動車であることが、輩出する車の条件なのです。その昔、四輪駆動は強く必要とされる背景があり、それに応えることから始まった彼らの方針です。しかし時というものは、その求めを変えずに過ごし育つことはありません。やがて、四輪駆動を取り巻く環境は、より贅沢になっていきます。マイカーと仕事車を兼用するより、夫々特別な能力がある専用のものが必要な仕事が増えていきます。どうにも兼用というと伴わなくなっていくのです。道路も変わっていきます。大都市は高速道路で結ばれるようになり、巡航速力は高く要求され、静かで快適な乗車環境は長時間の移動に必要とされます。丁度その頃が、ランドローバーシリーズIIの時期です。要求に応えるため、レンジローバーを派生、住処を分かちましたが、その後、派生された方針が大きく需要されるようになります。そうなっても、片方の、生き抜くため、働くための求めは、その方向性を活かすだけの目的で輩出される商品の受け皿としては暫くの間充分な広さ深さを持っていました。でもその縮小は目に見える形で示されます。先ずクライスラーがジープCJの継続を断念、ウィリスから連綿と続いた栄光の歴史を閉じます。世界各社ライセンスも順次それに続き、最後に三菱がジープを終えます。トヨタもニッサンも、競合車種モデルを仕舞っていき、やがてランドローバーはそれをディフェンダーとして世界で1モデルだけ、ほぼ孤立して続行することになり、今迄保ちました。多分、まだ一世代程度はこのモデルを維持するに足る需要はあるのでは、とは感じます。とはいえ、他の類似した性能モデルがそのように感じなかったか、というと、やはり同じように、まだまだという感触はありながら、モデルを閉じていったのです。みんな、ぎりぎりまで粘らないのです。十分回せるうちに停める。自動車事業という大きな責任の中で、このタイミングを見い出すのは必務。たっぷりと準備し顧客に夢を与え次世代への備えの努力を続けて来たセールスを敢えて裏切り、停めねばならない時は正確に停める。それが勇断かどうかを、後年問うのは愚かというもの。責任には、そもそも勇気が必要なのです。

勇気はタテワリ、上から下へと伝播伝達、要求されて来ます。私たちもまた、立場を変えても守り抜く覚悟が必要なのです。終了後はユーザーさまの方向性が二分していくことになるでしょう。一方は、車が使える間は使える方法は全て駆使して使い抜く方向、もう一方は、現在の状態を守り抜いて保存する方向。何れも車の機能としては同じ期間保てると思いますが二十年経てば見た目は相当な違いが現れます。それでも両者は、同じディフェンダーだということです。片方は働き続ける、片方は伝え続ける。その双方には、その時点で、価格の違いこそ表れれど、価値の違いはない筈です。

もう、代わりは現れないのだから。

一番の覚悟を強いられ、勇気を試される、オーナーさま皆様のために、生き方を、考え試していきます。
今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。

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