ビリング ランドローバーフェスト2014
ノーザンプトン・ビリングアクアドローム
2014年 7月 25〜27日

探訪記録

ディフェンダー生産終了の発表から十か月、これを取り巻く一連の業界は、来るべき新しい世代への準備に余念がありません。五十年以上の長きに亘り、4X4のアイコンを守り続けた栄光あるシリーズが閉じられる。しかし、見方によっては、その年月が自動車という製品に与えられる一つの顔には長過ぎたとも言えます。世界の道の多くは隅々迄均され、高速且つ快適に移動出来るようになっています。世界地図の中に、未踏の地は殆ど残されていません。ランドローバーシリーズの最後を担ったディフェンダーが必要とされるシーンそのものが、もしかしたらもう見当たらなくなっている。そう受け止めることが最も自動車の見識に沿った理解なのかも知れません。
しかし、この流れは私共を含めこの車を愛好する人々にとって希有の巡りであることもまた確かです。ある意味、お陰で、このクルマたちが持つエキゾチックな一面をより強く享受出来る時代が来る。そう考えるべきだと思います。
世界の殆どの場所にセダンで辿り着ける現在、既にクロスカントリー4x4はスポーツカーの地位を得ています。とはいえその多くは、やはり既に快適と速度に迎合し大分腰が砕けて残存しているというのが現状です。反してディフェンダーは、最後迄その動きに背を向けて牙城を守り通した頑固なモデルです。そのことは、この動きでさらに、このクルマをこれからもずっと保ち残して行ける可能性でもあると感じます。
様々な点で、将来はいろいろと難しくなることが増えるでしょう。でもそれに怖じけるような当社では御座居ません。広い自動車の業界で、常に一番面倒で難しいことに挑んで来た弊社の経験から見ても、これはまだ大したことではないと言えます。これは本国の人たちも共通して感じているでしょうが、メーカーのお膝元という近い距離感に於いては、日本における日本車の業界とこれ同じで、思いはあれど動きはとなれば愈々シフトを認めねばならない、そうした気概からやや静まるのも頷けます。

我々は今後もディフェンダーと歩き続けます。


皆様の、より膨らむ夢に、御応えする為に、さらに見識と学びを深めていきましょう。

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