モーガン 仕様各種あり・新車中古車不問。お問い合せ下さい。 |
今最もクルマらしいクルマ、と聞かれたら、筆者はこれを先ず挙げます。 使途。それは楽しく乗ること、そして操ること。真面目な話、載むとか、乗り越えるとか、邪念は無用です。 美。もしこれを見飽きることがあるとすると、目か心の患いを怖れたい。 匠。今尚木造フレーム部分をもつコーチワーク。伝統を学ばぬものには分解さえ出来ません。 弊社得意のディフェンダーとは全く正反対の方角にあるこのクルマ、正反対だからこそ、この魅力、理解します。 1908年創業から三代、血縁のみで受け継がれ、戸外の資本を一切受け付けない。四輪車の輩出は1936年に始まり、驚くことに今尚全く同じフレーム・コーチワークを守り続け、丹念極まる手作業を主体に一日に一台完成させることを目標としてまさに活動し続ける、メーカーというより工房と呼ぶに相応しい生粋のカービルダーがモーガンなのです。 エンジンは時代に合わせ最新の技術のものを搭載しています。現在は米国S&S社製Vツイン1983ccを3ホイラー用とする他、1600・2000ccの英国フォード製DOHCと3721・4799ccローバーV8全て電子制御燃料噴射エンジンです。4799ccのみZF製ATを選択出来る他はMTのみとなります。 弊社は英国内に強力な情報網をもちます。御希望により、ビンテージから新車迄、御希望にあうクルマを探し、御提供申し上げます。 |
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世界でも数例と見て良くなった、個人経営の自動車メーカーであるモーガンは、古くからディーラーさえも個人経営にこだわって選んで来ました。それ故、謎の名車として極めてエキゾチックな姿や構造を今迄保って来られたと言えるでしょう。 筆者は30年前から十年近く、6台のモーガンを乗り継ぎ、このクルマは、持つには覚悟と心構えが少々必要と感じました。先ず、車体の外板が木材のフレームに取り付けられていることから、多湿な日本では車庫必須と感じました。古くから日本にあったクルマは、多くがフレームの腐りを抱えていて、その修理の為に入手困難な車枠用の堅いシダー材を探し求めねばなりませんでしたが、その殆どが屋外の駐車場に置かれていた経験があるクルマだったのです。次に、今では多分そんなに悩むことはないと思うのですが、これを駆って出回った後は、やたらと体が汚れたことです。時代は排ガス規制がまだ浸透しない時でしたから、オートバイでも似たようなもの、と思いがちですが、そこはこのクルマ、乗車位置が非常に低く、他の車の排ガスの煤煙、巻き上げる泥埃がへばりつくように漂う丁度具合の良い高さに頭がある程低いので、路面に落ちたり大気に消える前の一番濃密な煤煙塵埃を一身に浴びてしまい、目の回りや鼻の中は真っ黒、都内外郭道路を通ると口の中迄ざらざら、帰ってシャワーを浴びると、髮からは廃液かと見まごう真っ黒な流れが落ち、服の汚れと来たら洗濯機に他の衣類を入れるのを憚る程でした。 ところが整備等は、案外簡単で、手が入らないところ等ないから、用もないのにフードを上げたりリフトアップしてあちこちいじり回したものです。乗り心地は普通ならリアシートに相当する場所に着座することから前輪のバンプから遠退き至ってシルキー、車体の軽さが齎す意外なスポーツドライビングにも気付かない程です。 車好きなら、この不思議な魅力に包まれたクルマを一度お試し頂きたいと思います。人生観が変わること請け合い、そして車というものをより深く理解することでしょう。 |