日本はまだまだ、激しい残暑。ここは肌寒い。最近の大きなPCモニター指向に合わせ、少し幅広の設定でご覧頂きます。

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毎年、こうして英国に渡り、イベントを覗いて来るのです。何か新しい品が出ていないかや、英国との先の1年の相談等、仕事上の開発や継続の上から義務的に訪れねばならない理由もありますが、エネルギーを貰いに行くという見方が出来るようになって来ました。

このイベントはディフェンダー中心であることを、ここまでご覧頂けばお分かり頂けるでしょう。
弊社は、その単品目で完結する業態の、一寸変わった車屋でもあります。最近、PUMAへの変更で価格が大幅に上がったことで、その狭い針路がさらに狭まり、自由が随分効かなくなり、規制強化等容易ならざる問題も、経験で何とかクリアしてきたばかり、変化に沿う努力は現在進行形です。そこにまたエコカーなる動きがトップダウンで発生、他にも若年層のクルマ離れの顕在化と、モーションを束縛するネタにはこと欠きません。
イギリス本国でもそうした動きは一様にあるようです。でも彼らは、活き続けることとは何か、エコロジーとは何かを、我々よりもっと深く理解しているように感じます。果して長年使ったものを捨て、新しいものを求めるだけが環境に貢献出来ることか、暮らしを守るとはどういうことか。何を辛抱して何を楽しむのか。決して派手な車ではないディフェンダーを、いやもっと古いランドローバーを、どのように使い続けていくのか。クルマという大きな家財を通じて世間と暮らしを繋ごうとするさまを、もっともっと足元で実現していく姿。ただの趣味とは言えないそれに、心意気に触れる機会がこのイベントに臨むことのように思えるこの頃です。

長く暮らしを共にし、痛い痒いを知り尽した相棒と生きる。その方法を直に手にする場所として、皆でこのイベントを守っている。その為に距離を厭わず訪れ、提供し、利用する。持ちつ持たれつの関係が、ここには活きています。誰かの私利、誰かの欲求だけの為に一方的に開かれているものではない一体感。ディフェンダーはイギリスでも今は必ずやポピュラーなクルマではなくなっています。これを選ぶ人にはそれなりの理由があります。愛国心も、あるでしょうが、もっと大きな支えになっているのは、持ちつ持たれつが成立し易いことではないかと思います。ランドローバーコニュニティの中で最もそれを強くしているのがディフェンダーユーザーとも思えます。突出した特殊さが一面で目立ちますが、裾野は広い生活の、仕事の現場そのもので、泥臭く普通な人生そのものなのだと思います。

クルマを買い換えてしまうのは簡単です。手持ちのモノを捨てて、新しい時代のモノを買えばイイだけです。でもそれが本当にエコでしょうか。経済的でしょうか。クルマを捨てればそれだけで環境に大きな負荷を与えるのではないでしょうか。新しいものを作る為に排出される負荷はどうでしょう。お金は、楽に支払えましょうか。
そうして大きな移動を起こすよりは、無駄な移動を減らして、何かの為に動く時は他の何かもそのルートに組み入れ、最短距離で動く心がけや、捨てるものを減らす心がけを積み重ねることで、出費を抑え、ゴミを減らすことは出来ませんか。ここでは、それを実現しようとしている大勢の生きざまに触れることが出来ます。それから自分達が、地球の反対側でやれることは何かのヒントが得られるような気がします。

私どもは直接この銘柄に触れているから尚更なのかも知れませんが、広い意味でも、同じチャレンジをそこここで見られないでしょうか。恐らくは、目の前で行われていても気付かないだけなのかも知れません。
今回も、それをこのショウグランドで、目にして、教わって、力に出来る。そんな気になるこの頃なのです。

大きなスポンサーから見放されても、彼らは集まります。そして交歓しあいます。大資本では飼い殺しに出来ないエネルギーがあるんです。それを糧にして、ご利用頂く皆様に貢献することに繋がればと考えています。

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