創業60年、とはいえ、車種乱発の乗用車メーカーではないだけあって、そのヒストリカルモデル逹は皆それぞれの時代を代表する佇まいをみせています。先ずは、栄えある初代シリーズIから。

こうしてみると、シリーズIは、単車台車種であるがゆえに如何にバリエーションを起こし易かったかがわかります。
そこで、ランドローバーまめ知識。
シリーズI・II・IIIと続くオリジナルランドローバーの中で、ウインドシールドが何もしないでバタンと倒せるのはシリーズIだけなのです。後続の車種は、ワイパーブレードを外さなければ、ヒンジがあっても倒せないのです。
これは、シリーズIが基本的にジープMBの機能性能に近付けられるべく開発された当初の目的があることと、軍用とされた際、この大きさ・機能のクルマはコマンドルコネサンス(戦闘偵察)の用を果さねばならない為、輸送機或いはそれに曳航されるグライダーに積まなければならず、当時は押し並べて機体が小さかったそれらに納め、かつ投入後難しい組立作業をせずともすぐ使えるように、やはりMBのこの性能をそのまま活かす必要があったのです。
展示車が誇らしげにシールドを倒しているのは、この時代の特徴を示してみせているのです。
その後、輸送機は大きくなり、戦車クラスのものでさえ「投下」という方法がとられるに至り、また時代は進み高々度航空偵察、やがては衛星偵察とドンドン戦略技術は進化、コマンドルコネサンスの時代は終ります。
最近迄のディフェンダー軍用モデルも屋根とサイドウィンドウのユニットとその下のボディが分割出来るようになっていました。しかしながら可倒式というには程遠く、その可能性を示すだけですが、それはやはり、輸送力が往時より遥かに高くなった現代だからこそのものなのです。
自動車は、それを取り巻く環境に適応し進化していく商品です。機能や性能から、その時代の周辺事情も察することが出来る面白さがあります。

時代は進み、高速道路も整備されて来た頃の車種を見ていきましょう。

寄り目がシリーズII、平目がシリーズIIIとなります。この時代、日本には西武百貨店など何社かがぼつぼつと輸入していましたがぱっとした販売実績は見られません。纏まった需要としては、電源公社が黒部ダム建設の為の足として暢達した程度です。

やがて、時代はランドローバーこそが「四輪駆動車」であることを謳う代名詞としてそれを育てて行きます。映像の世界では常にそうあるごとく登場し、我々の極身近にアピールされます。映画「トゥーム・レイダー」ではヒロイン・ララクロフトの乗車として現れました。
ここにその現物をご覧に入れます。今年は手の届くところに展示され、細かく撮影出来ました。

このように、映画のセットとしては細かすぎる位作り込まれております。トゥーム・レイダーの紋章が、積まれたアルミケースにまでつけてある程の入れ込みようですが映画ではほんの一瞬その姿を見せただけでした。レンタルビデオでも出ていますから目を皿のようにして映像を追ってみてください。

その他、こんなのもあります。これは、最近人気のストップモーションアニメ「ひつじのショーン」のイメージモチーフです。主人公のひつじの飼主の乗車ということで映像にも姿を見せていますが、よくみると結構変ですね〜。いやにボンネットが短いので、シリーズIIのエンジンがここに収まっているとは思い難いのですが如何でしょう。来年は是非ボンネットを開けてみせて頂きたいものです。もしかしたら、カラッポ?ではないかと、踏んでいます。

クリーブランドホームへ

LRM Show 2008ページトップへ