ランドローバー・ディフェンダー
110 ハイキャパシティピックアップカスタム


出来上がりです。


パターンの切れ目のもっていきどころをご覧下さい。どこでどう終らせどう繋ぐかは、出来てから
分かったのでは遅いのです。的確な御提案を頂けることが完成を早めるポイントです。


通常装着して使われるであろう幌。


この企画を大成功に導いた仕事の妙がそこここに見られます。

日中広い所で見ると、バランスをよく追求された構想であることが見られます。
こうして拝見すると、幌を何らかの単色にせず模様を与えたことで、ラスタの三色がより一層際立っているのが感じ取れます。活かす面は活かされ、割る面は大胆に割って見せていることは、無理に見せることに走らず上品さと堂々とした感じを作り出しているようです。
英国車であるという、何だか硬い印象を利用して、独特の存在感を損なわず、また知る人なら知るであろう不思議さ、PU?HCPU???、ちょっと失礼と下に潜り込んで確かめたくなるような衝動を誘う一面もしっかり作り込まれています。
ただそういう工作面だけではなく、表現されるべき文化を想いますれば、ラスタといえばエチオピア、そこはアフリカ大陸、と、いうことは、似合いのクルマはディフェンダー、と、聞いた訳ではないのですが、何だかあって然るべきかも知れないという教導も感じられますね。

幌の柄選びには随分と御苦労為さったことでしょう。はっぱの絵が丁度良い大きさで可愛らしく幌を飾って見ていて楽しくなります。荷台の幌の柄は、トラックとか目線の高い人には嬉しい楽しさが溢れています。ストレッチされたキャビンは居住性が増し、収納性も高くなっているので、PUが結局選ばれ難い辛さを綺麗に排除していますから、オーナーはさぞや快適にお使いになれるでしょう。

いやはや、人様の御品乍らついつい欲しくなってしまう仕上がりですね。おいくらですか?なんて、不粋な一言を誘うのも、オーナー名利に尽きる所でしょう。安い訳がありませんので、そんなこと聞いても決して答えてはくれませんよ。

本当の意味でのオンリーワン、車台から建て上げのフルワンオフでは、乗用車というカテゴリからするとこれほどの衝撃は創りだせないでしょう。元があっても、何だか訳が分からない位刻み過ぎて原型が想像出来ないようでは同じですし、それなら何かのフェイクにしたほうが無難ではないでしょうか。自動車は思っている程素材に柔軟性がないものなので、割合簡単に元車のもつ印象は壊れ去っていくものです。

知らない人にはその人の知っているであろうところを見せて、知っている人にはその知識を断ち割る衝撃を与え、自己主張をし、なおかつ人が欲しがる。さらに、ちゃんとそれが自家用車として使えること。

カスタム・ショウカー・メイキングは、ひとりよがりではない道を持った人の、装いの集大成です。

今はもう、ポンコツをドロドロにして道路を走り回っていい時代ではない筈です。正直誰でも新車がスグそこの街角で何時でも買えるのです。古くてもボロボロでも、きれいでなければなりません。きれいであるということは、ピカピカ光っているというばかりではなく、自動車として安心して見ることが出来るということなのです。そういう時代のカスタムカー・メイキングは、結果が荒れ荒れになってしまうことを容認してはいけないし、そうなることが確実なオーダーを請けてはいけないのです。
全ての御希望が、この事例のように、御発注主のセンスに万幅の信頼を置けるとは限りませんので、私どもは、発注だから仕方ない、とかいって結果の悪さを逃れることがないよう、良い例だけを積み重ねていくよう、日々、渾身努力怠らず、新たな自己主張のカンバスとしてディフェンダーをお選び頂けるよう御用意整えてお待ち申し上げております。

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一応クリーブランドのホームページらしく、こちらのお車の色遣い、ラスタカラーについて一言。

ラスタカラーは、エチオピアの国旗の3色を象徴するものです。それを崇拝し纏うことを意義とするのはラスタファリズムの帰依者です。英語ではRastafarianism(ラスタファリアニズム)とされます(ジャマイカでは英語が公用語です)が、日本ではラスタファリズムと言われる事が多いです。舌を噛みそうだから日本語的には縮めたのでしょうか。これはジャマイカの宗教であり思想で、ラスタ教ともいっています。 1916年ジャマイカの牧師マーカス・ガービーは「黒人の王が即位する時のアフリカを見よ。その人こそ救世主となる者だ。」と予言したため、その14年後にエチオピア最後の皇帝が中南米の黒人たちから自分たちをアフリカに帰してくれる救世主として崇められるようになったものです。帰依者はラスタファリアンと自らを呼びます。ガービーはその王が黒人をアフリカに帰還する手助けをしてくれるので、アフリカが認める自然な姿を保ちその日を待つ暮らしをすることを推奨したといいます。ガービー主義とも言われていますがそれがラスタの開祖としては見られていませんしガービーもそう主張しては居ません。聖書を聖典とし、教義の成文化は見ません。先の通りエチオピア帝国最後に帝位についた皇帝であるハイレ・セラシエ1世を神であるジャー(JAH)の化身、あるいはそれ自身だとしており、帝の即位以前の本名ラス・タファリ・マッコウネン(アムハラ語の『タファリ皇太子』)から来るラスタという呼び名は、ラスタファーライとも言われます。帰依者は自らラスタマン、ラスタウーマンと呼んで独特な言葉を話し、レゲエと共に全世界に波及していますが通常サブカルチャーとみられています。ジャマイカの国教はキリスト教(プロテスタント)で、ラスタは全国民の3割前後だろうと推察されます。

レゲエの象徴としてのファッション、ドレッドロックスは、例え髪の毛であっても自らの身体に刃物を当てることを禁じる生命至上主義のラスタファリズムの教義によるヘアスタイルです。同時にアイタルフードと呼ばれる自然食をとることを食生活の基本とする菜食中心主義で自然生育のものを摂取しなければならないとしているため塩などのミネラル分を加えることも禁止しています。ただし、小型の魚は食べてもいいようです。禁酒も戒律のひとつなのは多くの自然系宗派と似ています。