ランドローバー・ディフェンダー
カスタムキャビンワーク

シートを全本革・ダイヤモンドキルトステッチとしたこちらの例は、現車の他にメルセデスGを所有するお若い実業家の方の起っての御希望により製作となりました。
フロアは全面チェックプレートとし、カーナビゲーション等アフターアクセサリー類は御自身でお選びになりお持ち頂きました。
ディフェンダーの持ち味である無骨さを足元に強く意識しつつ、高級車のファニチャを配置してパーソナリティとアイデンティティを主張している作例となります。

ご覧頂けます通り、チェックプレートの加工も通常弊社のアフターマーケットアクセサリーとして御用意するものと全く意匠を異にしており、細部迄綿密な合わせ・折り込み、そして溶接と凝った作りとなっております。

天井材も、高級なシートの雰囲気を損なわぬよう改めて製作となっております。普通、乗車した人は天井を凝視することはありませんが、視線を仰がれた時のことを充々配慮、手抜かりはありません。

コントロール類はディフェンダーのオリジナルを活かしております。モニターがレイズアップする型のナビゲーションシステムは、パネルやダッシュボードの姿を損ないません。
この界隈は無理をすると違和感を齎すものでもあります。モニタパネルをダッシュボードにネジ留めしただけでも使い勝手が変わって見映えも損なう、そこまでいかなくても、ハンドルを社外品に変えただけで「なんか変」と元に戻した方も多い、大変ナーバスな部分なのです。
オーナーは美容関係サービスのお店を多数経営為さって成功を得ておられることもあり、こうした「常に注目される部分」の、製品固有のいわばモチーフに関しては大変高い造詣をお持ちとお見受けします。クルマのほうの御経験も随分お持ちでしょうね。
自らのアイデンティティは、乗員の身体に触れるシートに集約して表現為さることで、このクルマを持つ意味をアピールし、足元を隙間なくチェックプレートで覆い、視野の隅に誘い入れることで、無骨な外観を車内へ延長して配置していらっしゃると考えます。

ディフェンダーの外観はシンプルなラインをもっており、カンバスとすることは簡単ですが、このビュウラインの歴史が長過ぎることから中途半端にしないことは難しいものです。
経済的な達成を成し遂げられ、恐らくは新型PUMAディフェンダーのお求めも容易であろうところを、敢えて伝統のベンチレーションポートが開くTd5車を維持され、一瞥ではわからないところで自らを表現。
無用な人にそのものを知らしめず、伝統を重んじる。
そして存在を尊び、隙なく猛烈にお洒落する。まさに男の美学です。このクルマはオーナーの暮らしの中ではアウトドアのツールともなり得ましょうが、それ以前にオーナー自身の装いの一つとして、街路で１００％以上の性能を発揮すべく、認めて頂いているのです。

こうした大きく繊細なファニチャリングやインテリアワークは、外からは何に手が入っているのか分からなくても猛烈なコストが掛かります。その代わり、オーナーご自身に極お近くで、かつ御乗車を許される方のみが、こうして醸し出された普通ではない世界を見て触れることが出来るのです。
また、オリジナルであるべき部分を守られるこうした改装は、将来的にお車の価値を向上させるものでもあります。このように上手に「美味しく料理されている」クルマが売り出されれば、同じカタチのクルマを欲する多くの人々としては「間違いなく」新車と天秤に掛けてもと考えるもので、施された当座は目立たなくても、商品となるといきなりパブリックになってしまうでしょう。
このページをご覧になった方の多くは、恐らくこの現車が欲しくなってしまわれたでしょう。しかし、ここまで愛情を注がれたお車は容易く放して頂けません。遠い将来、もし御放しをお手伝い出来ることになれば、弊社中古車サイトのほうを飾ってくれるとは思いますが...。
一先ずは、御自身の愛車に施す御検討をお薦め申し上げます。

製作御相談は随時承っております。お電話或いはEmailでお問い合わせ下さい。