LRO・ショウ2009
探訪記録
17th - 19th July
Land Rover Weekend : www.lroshow.com

旅を終えて...........

燃料価格暴騰で開けられた風穴を、リーマンショックが始末に負えない程押し広げ、彼の地の自動車業界は日本に輪を掛けて惨澹たる状況を晒しております。影響はこのショウにも、術なく影を落とし、例年に比べ確実に出展の厚みを損ない、我々一行が焦躁に駆られたことは隠せません。写真のピックも例年に比べ3割は少なかったと思います。
こういう時代に生き残るのは、確かで信頼されるものごとだけでしょう。

新しい、低燃費で低排出量のクルマは、学術的統計的説得力だけに頷く分には環境に優しいかも知れません。しかし、一個のクルマを作って売ることで排出される汚染は、少々燃費が良くなった程度で埋め合わせがつくものではありません。誰もが新型のエコ性能を発揮出来、恩恵に肖れるプロフェッショナル・パワーユーザーであるなら話は別ですが、使う人によっては、持ち物を長く使い延ばす方が如何ばかりか環境に、そして財布に優しいか知れないのです。
我々のもとでも、突然齎された買い換え補助金に躍り上がって、年に3000キロしか走らない用向きにも拘わらず、単に古いからというだけで話題のエコカーに買い換える人が沢山居るのですが、少しじっくりと手許を見れば、その方がずっとエコロジーに反することが分かると思うのです。もしそれら補助や減税が、直前の車検期間に3万キロ以上走行したことが証明出来る車体に対してとでもされているなら話は分かりますが、この条件では唯無用なユーザーに恩恵だけ垂れ流しているに等しく、訝しくも感じます。

彼の地の人々は、結構それを良く知っているようでした。ランドローバー車は4x4ですから、確かに同じ乗車定員同じ積載容積のセダンやワゴンに比べたらハイエミッションなのですが、タクシーや配送車として激しくオドメーターを巻き上げる使い方はされておらず、丈夫に出来ても居ますから荷重部分の寿命がそもそも長いのですから、自分達のモノ選び、そしてそうした暮らし方そのものがエコなのだ、と自負しているようでした。車輌単価はやはりセダンやワゴンよりは高くなってしまうので、償却に就いての意識も高く、何かして上手に長く使おうではないかとあれこれいつも考えているのです。廃棄されるものからトコトン迄使えるものを外してリユース、挙句フレーム迄再生して供給する人たちの「環境への貢献」を纏めて目にすることが出来るここでは、私たちの行いに少なからず安堵を感じます。

私達は、いつも新しいお車を提供する一方、古くなったお車をお預かりし、また将来の十年二十年に向けてのサービスも提供しています。買い換えの御要望には御応え致しますものの、新しい将来へ向けた愛車の再現をリファービッシュという、趣味的な再生を目するレストアとは違った形で御提案申し上げております。大概のお車は十年経ったからといって二十万キロも走っていることはありません。精々5万8万といったところです。ディフェンダーは地球を十回廻れるクルマです。まだまだの余力を存分に使いたいのです。

ここに集う人たちのように、地球を十回巡りましょう。そうしていくことが、私達が末長く自動車というものと付き合い続ける最良の策ではないかと改めて感じました。


御苦労様の一行です。

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